肥料は何でできているのか
有機野菜は大腸菌が付いていて危険だという報道を見た。
洗ってからでも、生で食べるのは食中毒の危険があると報じていた。
食品加工の現場では、食材の多くは殺菌されてから、加工されている。
そのため、調理過程や流通過程での感染が疑われるケースが多い。
報道によると、牛糞堆肥から大腸菌が検出された為、有機野菜の危険性を取り上げたのだろう。
今回のケースでも、有機野菜もしっかり殺菌してから調理されていたようだ。
それなのに、なぜ大腸菌が残っていたのか?
これには、牛糞堆肥の元になってる物は何かを考えてみると、
家畜として飼われている牛は病気になると困るので、抗生物質入りの餌を与えられている。
その牛の体内で、菌は次第に耐性を持つようになり、その一部が牛糞として体外に排出されて、野菜作りに使われる。
耐性のある菌が付着した野菜が出荷され、加工場で殺菌されても、耐性があり死滅しなかったのではないだろうか。
報道は有機野菜の危険性という問題にしているが、その大元になっているのは有機肥料は何からできているのかを考えるべきだと思う。
抗生物質を含む配合飼料を食べて育てられている牛の牛糞は有機肥料と呼ばれるが、有機野菜を求める消費者のイメージしている有機肥料とは違うと思う。
消費者のイメージと掛け離れて、期待を裏切る有機農業では必ず衰退する。
肥料を選ぶ時には化学肥料か有機肥料かだけでなく、何からできているのか考えて選ぶ時代が来るはず。
どんな遺伝子を持つ種なのか?
先日の記事を書いたキッカケになった本、
「不自然な食べものはいらない」(著者:内海聡)
の中で野口勲さんが触れていた事が、あまりにも衝撃的だったので、、、
もう少し詳しく。
種を買う時に、できる果実を選んでいる。
果実の種類だけを考えて選んでいる。
それで欲しい果実は得られるので、それはそれで良いとも思う。
ただ、
その種はどのようにして作られたのか?
どんな遺伝子を持つ種なのか?
知っておいた方が良い。
今、世間に出回ってる種のほとんどはF1種のもの。
これは、出来る野菜の性質が揃いやすいため、多くの農家が買っている。
たくさん売れるので、たくさん作る。
たくさん作るので、安くできて、更に売れる。
という循環を経て、今F1種ばかりが売られるようになった。
都合が良い物なので良い事かとも言えるかもしれないが、そのF1種の作られ方が危険だと感じた。
雄性不稔という遺伝子を持つ種が親になっているからだ。
コレは簡単に言うと、おしべが正常に機能しないという遺伝子。
この性質を持つ植物が大量に作られている。
おしべが正常に機能しない遺伝子を持つ植物は、おしべが正常に機能しない。
このような野菜がたくさん作られているのだ。
野口さんが上記の本で触れていたのが、
雄性不稔の遺伝子を持つ野菜を食べ続けている事が不妊につながっているのではないか?
という事。
曰く、F1の普及と男性の精子数減少に相関がある…
コレには衝撃を受けるとともに、
それはそうだよなと妙に納得できた。
食べる物が体に影響を及ぼすのは当然。
どんな物を食べているかで、どんな体になるかが決まる。
その物がどんな遺伝子を持つか、知った上で選べるようにしたい。
最近では生産者の顔を載せている野菜が出てきているので、どんな遺伝子を持つ種かを選ぶ時代が来るかもしれない。
どんな種を蒔くのか…
新年にふさわしい内容を。
どんな実が欲しいか?
によって、どんな種を蒔くのかが決まる。
リンゴが欲しいなら、リンゴの種を蒔く。
ブドウの種ではなく。桃の種でもなく。
どんな実が欲しいかにこだわると言う事は、
どんな種を蒔くかにこだわることになるはず。
僕は農業をしているけど、どんな種を蒔くかにこだわっている農家は少ない。
多くの農家は、どうすれば効率的に作れるかって事ばかりに集中している気がする。
しかも、短期的な視点で。
消費者の中には、安全なのか?という事が大事になっていて、どのように作られたのかを気にする人が増えた。
どちらもスゴく大事だけど、根本ではない気がしている。
まずは、どんな種から育ったのかという事が大事だと思う。
リンゴっぽいブドウは、リンゴではないから。
野菜を選ぶ時に、無農薬だとか、有機栽培だとかを気にしても、その野菜は遺伝子組換の種かもしれない。
どのようにするのか、というやり方より
どんな種を蒔くのかを先に考えよう。
そんな事を考える新年になった。